DXに対する取組

D X推進に関する当法人の取り組みについて

税理士法人 宮西会計

1.会計事務所を取り巻く環境について

令和5年10月に適格請求書等保存方式(インボイス制度)の導入及び2024年1月から電子帳簿保存法に伴う電子取引データ保存の義務化により会計事務所及び関与先への業務負荷増大の影響は未知数となっております。

さらにバックオフィス業務である会計事務所全体の人材リソース不足による一人当たりの業務量増加傾向に加え、デジタル技術等の発展により、これまでのルールでは対応できない新たな事例も発生し会計税務業務は年々複雑化しております。

また同業者の競争も激しさを増し会計税務だけではなく経営・IT技術など他方面・他分野の知識が要求される環境にあります。

2.当法人のDX推進に関する経営ビジョン

当法人は石川県の中小企業を中心とした会計税務業務のワンストップサービスを行っております。

デジタル技術が日々進歩する中、当法人は2020年に5年中期経営計画「VISION40✖4」を策定し今年度は4年目として今まで実施してきたクラウド会計利用促進、クラウドサービス利用によるペーパーレス化、証憑書類のスキャン保存普及などを継続的に実施しております。次年度以降は5年中期経営計画の最終年度としてDX推進活動のさらなる深化を目指し取組を行って参ります。


3.DX推進に関する取組の方向性

当法人はDX推進に当たり、以下の取組を重点的に行っております。

①作業効率化と単純作業の削減
 
記帳代行などの単純作業はfreeeの自動化機能を活用し、削減した時間で経営分析や問題点の発見など、より付加価値が高い業務へシフトさせています。また今後RPAなどを使用し単純作業の自動化を目指し作業効率化と単純作業の削減を図っていきます。

②テレワーク勤務の推進
 テレワークを進めることにより、働く場所や時間にとらわれない働き方を推進しております。その際はクラウドサービスを充分に利用し在宅でも自社での勤務と同じような業務を進めることができる環境を構築しております。

③新たなコミュニケーションツールの活用
 
Googleカレンダーやチャット、Zoomなどのweb会議システム等を利用することにより、場所の制限を受けることなくオンラインでのお客様との打合せを行えるようにしております。


4.DXを推進していくための戦略

当法人では以下の取組を実施しております。

①体制作り
弊社では2019年より本格的にクラウド会計を前提としたサービスを提供するプロジェクトを開始させ、従来の紙での資料管理からPDF等の電子データ管理を進めております。

そしてこれらの体制のもと、業務の属人化を防止するべく、顧客ごとの業務マニュアルを作成し、クラウドサービスでスタッフに共有し、誰がどの作業をしても同じクオリティの成果物が出来上がる仕組みづくりを構築しております。
また、この体制を維持・発展させるべく、2022年にはIT業界経験者や若手人材を複数名採用し、更なる推進を図っております。

②ITシステム整備
具体的な実績としてScanSnapを用いた「紙資料の電子データ化」、Googleドライブを用いた「電子データのクラウド管理」、kintoneを用いた社員間での「業務進捗状況の見える化」、freee会計を用いた「会計業務のクラウド化」を行っております。

特にクラウド会計freeeについては石川県の会計事務所の中ではトップクラスの取り扱い件数を誇っており、紙資料が山積している旧来の事務所とは全く異なる業務体制を実現しております。これらツールにはAi-OCRが搭載されているものも多く、各種取引内容を機械が自動で文字起こしをし今まで手作業で入力していた工程が大幅に省略され業務効率化と時間削減に寄与しております。

またTKC会計においてはクラウド会計ソフト「FXクラウドシリーズ」を活用し、顧問先が入力した内容を関与先へ訪問する前に確認するとともに、適法性を助言することができる体制を構築しております。また「TKCモニタリング情報サービス(MIS)」においてはTKC社が提供するサービスを利用して電子ベースで金融機関に試算表と決算書が提供されており、紙で出力して郵送提出のような旧来の金融機関への提出状況から脱却しています。そのほか複数の金融機関(銀行や信販会社)から、インターネットを利用して取引データを自動受信し、その取引データをもとに仕訳ルールの学習機能を利用して仕訳を“かんたん”に計上できる「銀行信販データ受信機能」(FinTech)や「MR(マネジメントレポート)設計ツール」の活用及び他社と同様「証憑保存機能」「他社システムからの仕訳連携」も活用しております。
以上を踏まえ今後は効率化による業務時間削減と付加価値創出で高利益を目指して参ります。


5.DXを推進するための組織体制

当法人では、DXを推進するため以下のようなチーム編成を行っております。

 ①社内DX委員会
 法人内の情報共有ツール促進、セキュリティ管理、デジタル技術を利用した社内業務の効率化や新ツールの既存システムの適合性等を推進する役割

 ②社外DX推進室
 デジタル技術を活用した顧客への新サービス創出を推進する役割

 ③①及び②と併用するDX広報担当(随時)
 法人としてDX推進を行っていることを対外的に情報発信する役割


6.最新のデジタル技術に対応するための環境整備について

当法人では、法人内で使用しているハードウェアやソフトウェアについては、社内のDX委員会で管理基準を制定し、それに基づいて管理運用のプロセスを回しております。

また社内IT環境の整備に関して以下の方針を定めております。

 ①新たにシステムやソフトウェアサービスを導入する際には、既存システムやソフトウェアサービスとのデータ連携や既存システムとの整合性に問題がないかを検証しております。

 ②DX推進に対応した設備投資を行う際には、当法人が目指すべきビジネスモデルと一致していることを検証しております。

 ③常に新技術、新サービスの情報を収集し、社内の実態や製品のライフサイクルを踏まえて費用対効果、業務の最適化、作業時間削減の観点で最適な設備やシステム導入の検証をしております。


7.戦略の達成状況を測るための指標

当法人の各部署に見合う指標を策定し継続的にPDCAサイクルで改善を測って参ります。

すでに特定部署ではDX推進の過程で効率化による時間削減も大きな効果が期待できるため、作業時間の集計による一人当たりの業務時間を算出することで、DX推進達成度の指標を策定し効果を測定しながら継続的に取り組んで参ります。


8.DX推進のための取組状況に関する情報発信

当法人のDX推進に関する取り組みについて、社内DX委員会もしくは社外DX推進室の責任者が毎月の幹部会議で適宜進捗状況を報告し、当法人における実務執行総責任者である宮西代表がこれに対してフィードバックをする体制をとっております。また、今後は会議での決定事項を踏まえ経営ビジョンやデジタル技術を活用する戦略について、ホームページ等で取組状況を随時発信して参ります。